生命保険料は個人事業主と法人では取扱が違います。

今回はその違いについて説明してきます。

個人事業主が生命保険料を支払っても経費にできない。

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個人事業主が生命保険料を支払っても事業の経費にすることは

出来ません。

出来ない代わりに所得控除である生命保険料控除の適用を受ける

ことが出来ます。

事業の経費と所得控除の違い

例えば生命保険料を支払う前の利益が10万円だったとします。

そこに20万円の保険料を支払って経費にできたとしたら10万円の

赤字になりますよね。

赤字は来年以降の利益と相殺することができます。

ただ、生命保険料はこのように事業の経費とすることは出来ません。

所得控除の適用を受けるしかないんです。

10万円の利益が出ていて生命保険料20万円支払った場合には

10万円の所得控除を適用して所得は0円になります。

残りの10万円は切り捨てられてしまうんですね。

(控除できる生命保険料額はもう少し難しい計算が必要ですが)

なので来年に繰り越すことは出来ないんです。

経費に出来たほうが得ですよね。

 

法人が生命保険料を支払うと経費にすることができる。

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法人契約の生命保険で掛け捨てのものは全額が経費にすることが

出来ます。

 

一方、満期保険金や解約返戻金などがある貯蓄性のある保険はその一部

が経費にすることが出来ます。

 

生命保険の種類

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生命保険の種類は大きく3つに区分できます。

1.定期保険

定期保険と言われてもピンと来ませんよね。

「一定期間内死亡時受取保険」と言う名称のほうがわかりやすいかも

しれません。

ある一定の期間に保険の対象となる人物が死亡した場合に保険金を

受け取ることができるものをいいます。

一定期間内に保険の対象となる人物が死亡しない場合には保険金が

支払われることはありません。

自動車保険をイメージしていただければいいと思います。

いわゆる掛け捨ての保険なのでその全額を経費にすることが出来ます。

2.終身保険

定期保険と同様、終身保険もイメージが湧きづらくありませんか?

「解約返戻金付き死亡時受取保険」という名称だとピンときます。

終身保険はいつ死んでも、死亡した人物の遺族や法人に保険金が

出るものをいいます。対象となる人物が死んでしまうタイミング

 はいつでもいいというところがポイントです。

終身保険はいずれは絶対にもらえる保険なので貯蓄性がある保険

に分類されます。(人は必ず死にますからね)

また、途中で解約したときには解約返戻金がもらえます。

 

終身保険の場合、保険金を誰が受け取るかで取扱が異なります。

法人が受取人でしたら、支払った保険料は保険積立金として

 資産に計上して経費にすることは出来ません。

(必ずその法人に帰って来ますからね。)

一方、役員や従業員の遺族が保険金を受け取る場合には

その役員や従業員の給与や報酬となり全額が経費になります。

 

3.養老保険

養老保険が一番イメージ湧きません。「養老の瀧」という居酒屋

が頭に浮かんでしまいます。

これも「解約返戻金付き死亡時及び満期時受取保険」という名称に

したほうがいいと思います。養老保険と言われてもわかりません。

養老保険は満期までに死亡すれば死亡保険金を受とれます。満期時に

対象となる人物が生きていれば満期保険金を受け取れます。

死亡せず無事に満期を迎えた場合でも保険金が受け取れるところが特徴的

 ですね。(死亡した場合も、生きていた場合も保険金を受け取れるので

貯蓄性がある生命保険といえます。)

 

この養老保険も保険金の受取人によって処理が違ってきます。

(1)死亡保険金と満期保険金の受取人が両方とも法人とする契約の場合

支払った保険料は保険積立金として資産に計上して経費にはなりません。

(いずれはこの支払った保険料は保険金として法人に帰ってきますからね。)

 

(2)死亡保険金と満期保険金の受取人が保険の対象となる人物かその遺族の場合

支払った保険料は、その保険の対象となる人物の給料となり全額経費にすることが

  出来ます。

 

(3)死亡保険金の受取人が遺族で、満期保険金の受取人が法人の場合

この場合、支払った保険料の半分は保険積立金として資産計上、残りの半分は

  福利厚生費として経費にすることが出来ます。

保険の対象となった人物が死亡するか、生き残って満期を迎えるのか確率は

半分半分としてこのように規定しているのでしょう。

 

 まとめ

生命保険料は個人事業主として契約した場合と法人で契約した場合には

取扱が違います。

法人は一部経費にすることが出来ます。個人の場合は所得控除の対象に

なりますが経費にすることは出来ません。

法人で生命保険を契約する場合にはその受取人によって処理の仕方が

違いますので注意しましょう。